谷崎潤一郎 『母を恋うる記』 恐らくあの暗闇を歩いた折には自分は魂ばかりになって居たかも分らない。 そうして、この明るみへ出ると共に肉体が魂の所へ戻って来たのかも分らない。 その時私はふっと、例のカサカサと云う皺嗄れた物の音が未だに右手の闇の中から聞えて居るのに心付いた。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア