谷崎潤一郎 『母を恋うる記』 その真暗な茫々たる平地は一面の古沼であって、其処に沢山の蓮が植わっていたのである。 蓮はもう半分枯れかかって、葉は紙屑か何ぞのように乾涸びている。 その葉が風の吹く度にカサカサと云う音を立てて、葉の裏の白いところを出しながら戦いでいるのであった。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア