谷崎潤一郎 『母を恋うる記』 暖簾を洩れる台所の火影が街道の地面をぼんやりと照して、向う側の大木の松の根本にまで微かにとどいている。 ………もうその家の一間ばかり手前まで私はやって来た。 暖簾の蔭の流し元で何かを洗っているらしい水の音が聞える。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア