総べての物は依然として閑寂に、空も水も遠い野山も、漂渺たる月の光に蕩け込んで、その青白い静かさと云ったら、活動写真のフイルムが中途で止まったようである。
街道の地面は、さながら霜が降った如く真白で、その上に鮮かな磯馴松の影が、路端から這い出した蛇のように横わっている。
松と影とは根元のところで一つになっているが、松は消えても影は到底消えそうもないほど、影の方がハッキリしている。
総べての物は依然として閑寂に、空も水も遠い野山も、漂渺たる月の光に蕩け込んで、その青白い静かさと云ったら、活動写真のフイルムが中途で止まったようである。
街道の地面は、さながら霜が降った如く真白で、その上に鮮かな磯馴松の影が、路端から這い出した蛇のように横わっている。
松と影とは根元のところで一つになっているが、松は消えても影は到底消えそうもないほど、影の方がハッキリしている。