谷崎潤一郎 『母を恋うる記』 私がとうとう、その三味線を弾く人影を一二町先に認めたのは、あれからどのくらい過ぎた時分だったろう。 其処へ辿り着くまでの長い間、私はどんなに月の光と波の音とに浸されただろう。 「長い間」と云っただけでは、実際その長さの感じを云い現わす事は出来ない。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア