谷崎潤一郎 『母を恋うる記』 顔は暗い編笠の蔭になっているのだけれど、それだけに一層色の白さが際だって感ぜられる。 蔭は彼女の下唇のあたりまでを蔽っていて、笠の緒の喰い入っている頤の先だけが、纔かにちょんびりと月の光に曝されている。 その頤は花びらのように小さく愛らしい。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア