彼の才能は余りに繊弱で、巧緻に過ぎ、鏡花先生の悪い所にばかりカブレてゐた。
だから明星派の歌人として、都会人らしい、気の利いた、技巧を凝らした和歌を詠んだけれども、小説を書かせると、通人振つた、小待合式の、イヤ味な薄ツぺらなものが出来た。
彼が私と感情的に疎隔するやうになつたのは、「新思潮」へ寄せた彼の短篇を皆で排斥したことが始まりであつた。
彼の才能は余りに繊弱で、巧緻に過ぎ、鏡花先生の悪い所にばかりカブレてゐた。
だから明星派の歌人として、都会人らしい、気の利いた、技巧を凝らした和歌を詠んだけれども、小説を書かせると、通人振つた、小待合式の、イヤ味な薄ツぺらなものが出来た。
彼が私と感情的に疎隔するやうになつたのは、「新思潮」へ寄せた彼の短篇を皆で排斥したことが始まりであつた。