和辻もそれに賛成した。
大貫と私とは恒川に対する情誼上、板挟みになつた訳だが、何しろ鼻息の荒い時分だつたので、私なんかは敢然私情を抛つて排斥派の味方に附き、「ナニ、構ふもんか、己が行つて断つて来てやる」と、自ら憎まれ役を買つて出て、その原稿を懐に恒川の家へ乗り込んで行つたものだつた。
恒川は苦笑を以て私の説明を聴き、表面さりげなく撤回を承諾したやうなものゝ、此の事件が彼の文学上の信念に多大の打撃を与へたことは争はれない。
和辻もそれに賛成した。
大貫と私とは恒川に対する情誼上、板挟みになつた訳だが、何しろ鼻息の荒い時分だつたので、私なんかは敢然私情を抛つて排斥派の味方に附き、「ナニ、構ふもんか、己が行つて断つて来てやる」と、自ら憎まれ役を買つて出て、その原稿を懐に恒川の家へ乗り込んで行つたものだつた。
恒川は苦笑を以て私の説明を聴き、表面さりげなく撤回を承諾したやうなものゝ、此の事件が彼の文学上の信念に多大の打撃を与へたことは争はれない。