その第一は自分の天分に疑ひを抱くやうになること、その第二は、仮りに天分には自信が持てゝも、文壇へ進出する手蔓を求めるのが困難であること、その第三は、家に資産があればいゝが、さうでない場合、果して原稿料で食つて行けるかどうかと云ふ心配である。
当時と今日とは大分時勢が変化したけれども、今日と雖もこれらの危惧は多くの文学青年の念頭を去らないであらう。
私の十八九歳から二十四五歳に至る六七年間は、実に此の暗澹たる危惧の時代であつた。
その第一は自分の天分に疑ひを抱くやうになること、その第二は、仮りに天分には自信が持てゝも、文壇へ進出する手蔓を求めるのが困難であること、その第三は、家に資産があればいゝが、さうでない場合、果して原稿料で食つて行けるかどうかと云ふ心配である。
当時と今日とは大分時勢が変化したけれども、今日と雖もこれらの危惧は多くの文学青年の念頭を去らないであらう。
私の十八九歳から二十四五歳に至る六七年間は、実に此の暗澹たる危惧の時代であつた。