それは私の母の親切で、父が取引所へ行つてゐる留守の間に、一時間か二時間の果敢ない逢瀬を楽しんでは、日の暮れる前にこそ/\と別れて行くのであつた。
そしてもう大学時代には、貧乏書生のくせに笹沼に連れられて始終あの土地で遊ぶやうになり、僅かながら原稿料が這入るやうになつてからは、いつか馴染みの家だの女だのが出来てゐた。
だからわれ/\三人はよく柳橋の話をした。
それは私の母の親切で、父が取引所へ行つてゐる留守の間に、一時間か二時間の果敢ない逢瀬を楽しんでは、日の暮れる前にこそ/\と別れて行くのであつた。
そしてもう大学時代には、貧乏書生のくせに笹沼に連れられて始終あの土地で遊ぶやうになり、僅かながら原稿料が這入るやうになつてからは、いつか馴染みの家だの女だのが出来てゐた。
だからわれ/\三人はよく柳橋の話をした。