それから先はどんなことがあつたか、たゞ彼方此方に酔つ払ひが出来、杯盤狼藉たる光景であつたのが、眼に残つてゐるばかりである。
その中にあつて、白髪交りの蓬髪に紋附きを着た横山大観画伯が、あの、何処か石井漠を想起せしめる風貌で、鬱勃たる野心に燃えてゐるやうな眼を輝やかしながら、泰然と据わつてをられた姿を今も忘れない。
聞けば泉鏡花氏は、あの酔態で二次会に吉原へ繰り込んだが、紙入れその他一切の持ち物を落してしまひ、それを同行者が拾ひ集めるに苦心したと云ふ。
それから先はどんなことがあつたか、たゞ彼方此方に酔つ払ひが出来、杯盤狼藉たる光景であつたのが、眼に残つてゐるばかりである。
その中にあつて、白髪交りの蓬髪に紋附きを着た横山大観画伯が、あの、何処か石井漠を想起せしめる風貌で、鬱勃たる野心に燃えてゐるやうな眼を輝やかしながら、泰然と据わつてをられた姿を今も忘れない。
聞けば泉鏡花氏は、あの酔態で二次会に吉原へ繰り込んだが、紙入れその他一切の持ち物を落してしまひ、それを同行者が拾ひ集めるに苦心したと云ふ。