そして近年、と云ふのは此の二三年来、漸く先生を想ふの情の切なるものがあり、とき/″\自著や手紙などを差し上げて、先生からもその都度こまやかな消息を戴くやうになつたが、生憎今は関西に住んでゐるので、親しく謦咳に接して往時を追懐する時は容易に恵まれないのである。
小山内氏とのいきさつのこと
永井先生の場合は、もと/\先生自身交際嫌ひの風があり、生田葵山氏、井上唖々氏等二三子を除く外は、誰も先生に親炙することが出来なかつたから、そのために尚私は遠慮勝ちになつたのだが、小山内氏の場合は大いに事情が違つてゐた。