その頃、小山内薫水野葉舟の二人は文壇に於ける好男子の双璧と云はれ、又小栗風葉の小説「青春」の主人公「欣哉」と云ふ大学生は、小山内氏をモデルにしたのだと云ふ風説があつたくらゐで、氏は真に秀才型の美青年であつた。
氏は一生頭髪を短く刈つてをられたやうだが、それはその時分からさうであつた。
その頃流行つた「角刈り」と云ふのに近い刈り方で、うしろの方をより短く、前方を長目に刈つた頭の鉢は、後頭部がやゝ一直線に切つ立つてゐたが、小さく固く引き締まつて、その面長の顔とよき釣り合ひを保つてゐた。
その頃、小山内薫水野葉舟の二人は文壇に於ける好男子の双璧と云はれ、又小栗風葉の小説「青春」の主人公「欣哉」と云ふ大学生は、小山内氏をモデルにしたのだと云ふ風説があつたくらゐで、氏は真に秀才型の美青年であつた。
氏は一生頭髪を短く刈つてをられたやうだが、それはその時分からさうであつた。
その頃流行つた「角刈り」と云ふのに近い刈り方で、うしろの方をより短く、前方を長目に刈つた頭の鉢は、後頭部がやゝ一直線に切つ立つてゐたが、小さく固く引き締まつて、その面長の顔とよき釣り合ひを保つてゐた。