分けても所謂文学青年臭味といふものを好かなかつた。
たとへば服装などにしても学生時代こそ薄汚いなりをしてゐたが、紅葉館の宴会以来常に若旦那然たる身嗜みをして、努めて文筆の士らしい風をすることを避けた。
私がさう云ふ好みに傾いて行つたのは、元来が下町育ちであり、且つその上に偕楽園と云ふ軍師が附いてゐて、衣裳の選択から、着附けから、時々は材料の供給までもしてくれたせゐもあらう。
分けても所謂文学青年臭味といふものを好かなかつた。
たとへば服装などにしても学生時代こそ薄汚いなりをしてゐたが、紅葉館の宴会以来常に若旦那然たる身嗜みをして、努めて文筆の士らしい風をすることを避けた。
私がさう云ふ好みに傾いて行つたのは、元来が下町育ちであり、且つその上に偕楽園と云ふ軍師が附いてゐて、衣裳の選択から、着附けから、時々は材料の供給までもしてくれたせゐもあらう。