氏が自分の門下から出た私のやうな者を包容してくれたならば、それが氏の大を成す所以となるのだが、―――そのくらゐの理窟の分らない人ではないのだが、生れつきの性格は如何ともし難かつたのであらう。
後に述べるが如く、氏は此の性質のために私との関係以外にもいろ/\な損をしてゐるのである。
私は、大家振るのが癪に触るなら面と向つてなぜ云はないのだ、蔭で悪口を云ふなんて卑怯だと思つたが、氏が堂々と私の前でそれを云ひ出す勇気のないことも見抜いてゐた。
氏が自分の門下から出た私のやうな者を包容してくれたならば、それが氏の大を成す所以となるのだが、―――そのくらゐの理窟の分らない人ではないのだが、生れつきの性格は如何ともし難かつたのであらう。
後に述べるが如く、氏は此の性質のために私との関係以外にもいろ/\な損をしてゐるのである。
私は、大家振るのが癪に触るなら面と向つてなぜ云はないのだ、蔭で悪口を云ふなんて卑怯だと思つたが、氏が堂々と私の前でそれを云ひ出す勇気のないことも見抜いてゐた。