で、京都へ行きたいと云ふことも、多分私にその意向があることを松内さんが聞き込んで、「それなら旅費は出してやるから何か私の方へ書いたらよからう」と、半ば好意的に提案されたのだと記憶してゐる。
明治四十五年と云へばその七月に明治大帝が崩御された年で、もう今日から二十年前だ。
私はあの大震災以来関西へ逃げて来て現在では上方の住人になつてしまつてゐるが、今にして「朱雀日記」の往時を想ふとそゞろに人生の推移の意外なることを嘆ぜざるを得ない。
で、京都へ行きたいと云ふことも、多分私にその意向があることを松内さんが聞き込んで、「それなら旅費は出してやるから何か私の方へ書いたらよからう」と、半ば好意的に提案されたのだと記憶してゐる。
明治四十五年と云へばその七月に明治大帝が崩御された年で、もう今日から二十年前だ。
私はあの大震災以来関西へ逃げて来て現在では上方の住人になつてしまつてゐるが、今にして「朱雀日記」の往時を想ふとそゞろに人生の推移の意外なることを嘆ぜざるを得ない。