私はあの大震災以来関西へ逃げて来て現在では上方の住人になつてしまつてゐるが、今にして「朱雀日記」の往時を想ふとそゞろに人生の推移の意外なることを嘆ぜざるを得ない。
誰かあの当時、二十年の後に自分が関西に居着くやうになることを予想しようぞ。
思へば不思議な因縁であるが、しかし元来好古癖のある私は少青年時代から京阪の地に一種の憧れを抱いてゐたことは事実である。
私はあの大震災以来関西へ逃げて来て現在では上方の住人になつてしまつてゐるが、今にして「朱雀日記」の往時を想ふとそゞろに人生の推移の意外なることを嘆ぜざるを得ない。
誰かあの当時、二十年の後に自分が関西に居着くやうになることを予想しようぞ。
思へば不思議な因縁であるが、しかし元来好古癖のある私は少青年時代から京阪の地に一種の憧れを抱いてゐたことは事実である。