いくら大毎支局長の勢力でも万亭の女将が洋食屋の二階へ呼ばれて来るのは変なやうだから、或は仲居であつたかも知れない。
私は京都には全く一人も友達がなかつたので、着いた明くる日、私より一と足先に此の地へ来て三本木の「信楽」と云ふ宿に滞在してゐた長田幹彦君の所へ飛んで行つた。
此の「信楽」と云ふ旅館は今はなくなつてゐるだらうが、女将が与謝野晶子さんの旧友であるとかで、そんな縁故から文人の投宿する者が多かつたやうに聞いてゐる。
いくら大毎支局長の勢力でも万亭の女将が洋食屋の二階へ呼ばれて来るのは変なやうだから、或は仲居であつたかも知れない。
私は京都には全く一人も友達がなかつたので、着いた明くる日、私より一と足先に此の地へ来て三本木の「信楽」と云ふ宿に滞在してゐた長田幹彦君の所へ飛んで行つた。
此の「信楽」と云ふ旅館は今はなくなつてゐるだらうが、女将が与謝野晶子さんの旧友であるとかで、そんな縁故から文人の投宿する者が多かつたやうに聞いてゐる。