あの興聖寺の山吹を見たのも矢張その帰り途であつたかと思ふが、寺は対岸の朝日山の半腹にあつて、山吹は寺の楼門の際から宇治川の岸に下る琴坂と云ふ坂の両側に咲いてゐた。
真つ直ぐな、一丁ばかりの坂で、下り切つたところに石門があつて、門の外は川に沿うた往来になつてゐるのだが、坂の上から見下ろすと、往来の土は見えないで石門に劃られた枠の中を宇治川の早瀬が流れて行く。
その水を遠くに見つゝ山吹の咲き乱れてゐるのが無類の眺めなのである。
あの興聖寺の山吹を見たのも矢張その帰り途であつたかと思ふが、寺は対岸の朝日山の半腹にあつて、山吹は寺の楼門の際から宇治川の岸に下る琴坂と云ふ坂の両側に咲いてゐた。
真つ直ぐな、一丁ばかりの坂で、下り切つたところに石門があつて、門の外は川に沿うた往来になつてゐるのだが、坂の上から見下ろすと、往来の土は見えないで石門に劃られた枠の中を宇治川の早瀬が流れて行く。
その水を遠くに見つゝ山吹の咲き乱れてゐるのが無類の眺めなのである。