或る日、此方へ来てから間もなく、当時京都の帝大に教鞭を取つてをられた上田敏先生が私たちに会つてみたいと云つてをられると云ふ話を、大毎支局の東野さんから聞いた。
東野さんは始終先生の宅へ出入りをしてゐたものらしく、何かの機会にそんな意向を伺つたのであらう、「是非近いうちに先生の所へ御案内しませう」と云ふのであつた。
幹彦君も「一遍東野さんに連れて行つて貰ひませう」と、非常に楽しみにしてゐるらしいので、私にしても否やはなかつたが、しかし、あまり気が進んではゐなかつた。
或る日、此方へ来てから間もなく、当時京都の帝大に教鞭を取つてをられた上田敏先生が私たちに会つてみたいと云つてをられると云ふ話を、大毎支局の東野さんから聞いた。
東野さんは始終先生の宅へ出入りをしてゐたものらしく、何かの機会にそんな意向を伺つたのであらう、「是非近いうちに先生の所へ御案内しませう」と云ふのであつた。
幹彦君も「一遍東野さんに連れて行つて貰ひませう」と、非常に楽しみにしてゐるらしいので、私にしても否やはなかつたが、しかし、あまり気が進んではゐなかつた。