春雨のしよぼしよぼと降りしきる日の夕方、上田先生から招待されて、私は長田君と一緒に、南禅寺境内の瓢亭へ俥を走らせた。
やがて俥の止まつたのは、見すぼらしい焼芋屋のやうな家の軒先である。
大方車夫が蝋燭か草鞋でも買ふのだらうと思つて居ると、おいでやす、お上りやす、と云ふ声が聞えて、幌が取り除けられる。
春雨のしよぼしよぼと降りしきる日の夕方、上田先生から招待されて、私は長田君と一緒に、南禅寺境内の瓢亭へ俥を走らせた。
やがて俥の止まつたのは、見すぼらしい焼芋屋のやうな家の軒先である。
大方車夫が蝋燭か草鞋でも買ふのだらうと思つて居ると、おいでやす、お上りやす、と云ふ声が聞えて、幌が取り除けられる。