何処へ行つてもクツキリとした、パツと燃え立つやうに明るい「白」と「緑」の連続、………「新緑滴るばかり」と云ふと涼しさうだが、その新緑がぬら/\と汗で光つてゐるやうに見え、白い地面はカサカサに乾いてゐて、歩く度毎に灰のやうな細かい埃を上げる。
そのくせそよとの風もないので、足元にだけ立つた埃が、着物の裾二三寸から以下足袋の先までを、はつきり段をつけて染め分けてゐる。
私は三笠山を下から見上げた時に、あのつる/\した、木の一本もない山が、くるめくやうな日光の中に聳えてゐるのがへんに薄気味悪かつた。
何処へ行つてもクツキリとした、パツと燃え立つやうに明るい「白」と「緑」の連続、………「新緑滴るばかり」と云ふと涼しさうだが、その新緑がぬら/\と汗で光つてゐるやうに見え、白い地面はカサカサに乾いてゐて、歩く度毎に灰のやうな細かい埃を上げる。
そのくせそよとの風もないので、足元にだけ立つた埃が、着物の裾二三寸から以下足袋の先までを、はつきり段をつけて染め分けてゐる。
私は三笠山を下から見上げた時に、あのつる/\した、木の一本もない山が、くるめくやうな日光の中に聳えてゐるのがへんに薄気味悪かつた。