そのくせそよとの風もないので、足元にだけ立つた埃が、着物の裾二三寸から以下足袋の先までを、はつきり段をつけて染め分けてゐる。
私は三笠山を下から見上げた時に、あのつる/\した、木の一本もない山が、くるめくやうな日光の中に聳えてゐるのがへんに薄気味悪かつた。
もう見たゞけでウンザリして、登つたら嘸疲れるだらうなあと思つたきりだつた。
そのくせそよとの風もないので、足元にだけ立つた埃が、着物の裾二三寸から以下足袋の先までを、はつきり段をつけて染め分けてゐる。
私は三笠山を下から見上げた時に、あのつる/\した、木の一本もない山が、くるめくやうな日光の中に聳えてゐるのがへんに薄気味悪かつた。
もう見たゞけでウンザリして、登つたら嘸疲れるだらうなあと思つたきりだつた。