ところが、浩水君の相方の美妓の顔がいつ迄もいつ迄も眼先にチラついて、容易に眠られないのである。
あれは故越路太夫の養女の小しづと云ふ妓であつたさうだが、美人と云ふよりは実に阿娜な女であつた。
顔の地肌が妙になまめかしく、眼の下に小さな腫物が出来てゐて、それへ真つ白い紙の膏薬を貼つてゐるのが、いかにも初夏の女らしく蠱惑的に見えた)たまに宿屋へ帰つて来ると、座敷の真ん中にぐつたり打つ倒れて大の字になつたきり、横の物を縦にもしない。
ところが、浩水君の相方の美妓の顔がいつ迄もいつ迄も眼先にチラついて、容易に眠られないのである。
あれは故越路太夫の養女の小しづと云ふ妓であつたさうだが、美人と云ふよりは実に阿娜な女であつた。
顔の地肌が妙になまめかしく、眼の下に小さな腫物が出来てゐて、それへ真つ白い紙の膏薬を貼つてゐるのが、いかにも初夏の女らしく蠱惑的に見えた)たまに宿屋へ帰つて来ると、座敷の真ん中にぐつたり打つ倒れて大の字になつたきり、横の物を縦にもしない。