さう思つて私は、幹彦君が「ぶぶ漬け」と云ふと、負けない気になつて「お茶漬け」と云つた。
「ぶぶ」と云へば「お茶」だつた。
(こんな風だから、結局私は上方言葉を覚えずにしまつたが、幹彦君の方は手に入つたもので、早くから祇園情調の小説を書き、自由自在に京風の会話を駆使してゐたことは読者諸君も御承知の通りである。
さう思つて私は、幹彦君が「ぶぶ漬け」と云ふと、負けない気になつて「お茶漬け」と云つた。
「ぶぶ」と云へば「お茶」だつた。
(こんな風だから、結局私は上方言葉を覚えずにしまつたが、幹彦君の方は手に入つたもので、早くから祇園情調の小説を書き、自由自在に京風の会話を駆使してゐたことは読者諸君も御承知の通りである。