「ぶぶ」と云へば「お茶」だつた。
(こんな風だから、結局私は上方言葉を覚えずにしまつたが、幹彦君の方は手に入つたもので、早くから祇園情調の小説を書き、自由自在に京風の会話を駆使してゐたことは読者諸君も御承知の通りである。
私なぞは助手を使つて「卍」を書いたのが大分稽古になつたけれども、未だに込み入つたことは云へない)今から思ふと実に滑稽千万であるが、何分もう神経が余程変になつてゐたので、さう云ふ愚にもつかないことが一々気分に影響して、ぞうツと顔色が変つて来ると云ふ始末であつた。
「ぶぶ」と云へば「お茶」だつた。
(こんな風だから、結局私は上方言葉を覚えずにしまつたが、幹彦君の方は手に入つたもので、早くから祇園情調の小説を書き、自由自在に京風の会話を駆使してゐたことは読者諸君も御承知の通りである。
私なぞは助手を使つて「卍」を書いたのが大分稽古になつたけれども、未だに込み入つたことは云へない)今から思ふと実に滑稽千万であるが、何分もう神経が余程変になつてゐたので、さう云ふ愚にもつかないことが一々気分に影響して、ぞうツと顔色が変つて来ると云ふ始末であつた。