―――こゝで一寸説明しておくが、私の発作と云ふのは「死の恐怖感」であつて、「死」と死の恐怖感とは別物であるけれども、しかし恐怖感が極端に募れば生理的に「死」が来ないとは限らない、それが非常に恐いのであつた。
なぜなら私は、脂肪過多の結果心臓が弱くなつてゐて、神経性の心悸亢進症を起してゐたらしく、やゝともすると動悸が激しく打ち出して、ドドドドドツ………と体ぢゆうに響いた。
それに脈搏が馬鹿に早いので、日に何回となく気にして脈を測つたものだが、最も多い時は百二十、少い時でも九十八九から百はあつた。
―――こゝで一寸説明しておくが、私の発作と云ふのは「死の恐怖感」であつて、「死」と死の恐怖感とは別物であるけれども、しかし恐怖感が極端に募れば生理的に「死」が来ないとは限らない、それが非常に恐いのであつた。
なぜなら私は、脂肪過多の結果心臓が弱くなつてゐて、神経性の心悸亢進症を起してゐたらしく、やゝともすると動悸が激しく打ち出して、ドドドドドツ………と体ぢゆうに響いた。
それに脈搏が馬鹿に早いので、日に何回となく気にして脈を測つたものだが、最も多い時は百二十、少い時でも九十八九から百はあつた。