それに脈搏が馬鹿に早いので、日に何回となく気にして脈を測つたものだが、最も多い時は百二十、少い時でも九十八九から百はあつた。
だから恐怖感が絶頂に達したら心臓でヤラレる、確実に助からない、と云ふ気がした。
これが神経病でなく、誰にでも分る肉体の病気なら立派に云ひ訳が立つんだが、しかし命には換へられない、徴兵忌避で罰せられても帰京を延期しようか知らん、後でよく分るやうに理由を述べたら、或は諒解して貰へるであらう、―――と、私はさうも思つたことだつた。
それに脈搏が馬鹿に早いので、日に何回となく気にして脈を測つたものだが、最も多い時は百二十、少い時でも九十八九から百はあつた。
だから恐怖感が絶頂に達したら心臓でヤラレる、確実に助からない、と云ふ気がした。
これが神経病でなく、誰にでも分る肉体の病気なら立派に云ひ訳が立つんだが、しかし命には換へられない、徴兵忌避で罰せられても帰京を延期しようか知らん、後でよく分るやうに理由を述べたら、或は諒解して貰へるであらう、―――と、私はさうも思つたことだつた。