そしてあの近所に住んでをられた織田一麿君の家へ駈け付けて、一と晩ゆつくり休ませて貰つて、氷で頭を冷やしたりした。
こんな事から私の恐怖病はいよ/\極端になり出して、もう俥にも乗れないやうになつたのである。
私は大江橋の北詰めを一二丁東へ行つた河岸縁の、今はなくなつた何とか云ふ旅館の二階座敷に寝床を敷いて、さも大層な病人らしく一日ぢゆう安静にしながら、毎日恨めしさうに大川の水を眺めては暮らした。
そしてあの近所に住んでをられた織田一麿君の家へ駈け付けて、一と晩ゆつくり休ませて貰つて、氷で頭を冷やしたりした。
こんな事から私の恐怖病はいよ/\極端になり出して、もう俥にも乗れないやうになつたのである。
私は大江橋の北詰めを一二丁東へ行つた河岸縁の、今はなくなつた何とか云ふ旅館の二階座敷に寝床を敷いて、さも大層な病人らしく一日ぢゆう安静にしながら、毎日恨めしさうに大川の水を眺めては暮らした。