誰が教へてくれたのだつたか、高麗橋を東へ渡つた、横堀川の縁にあつた日本家屋の医院で、二階へ上ると患者が二十人近くも待つてゐて、エラク流行つてゐる医者であつた。
珍しく午前中に起きて、睡眠不足で頭がクラクラするところへ、川から晴れた夏の光りがさして来て、磨き込んだ医療器械や真つ白な看護婦の仕事服や床のリノリウムがピカピカと眼を射る。
直ぐに見て貰へば一と思ひに済むのだけれども、待たされてゐるとさま/″\な恐怖の幻を描いて、だん/\恐ぢ気づいて来る。
誰が教へてくれたのだつたか、高麗橋を東へ渡つた、横堀川の縁にあつた日本家屋の医院で、二階へ上ると患者が二十人近くも待つてゐて、エラク流行つてゐる医者であつた。
珍しく午前中に起きて、睡眠不足で頭がクラクラするところへ、川から晴れた夏の光りがさして来て、磨き込んだ医療器械や真つ白な看護婦の仕事服や床のリノリウムがピカピカと眼を射る。
直ぐに見て貰へば一と思ひに済むのだけれども、待たされてゐるとさま/″\な恐怖の幻を描いて、だん/\恐ぢ気づいて来る。