兎に角私は、六月の末に無事に帝都の土を蹈んでギリギリに検査に間に合つたのであるが、それは小野法順君の介添へのお蔭であつた。
此の人はもと知恩院塔頭の住職であつたのが、その頃或る事件から寺を捨てゝ還俗することになり、自分の用件を兼ねて名古屋まで私を送つてくれたのである。
小野君は大阪の私の宿へ来て病状を見舞つてくれ、天神橋の近所にある知人の医者の許へ連れて行つてくれたりした。
兎に角私は、六月の末に無事に帝都の土を蹈んでギリギリに検査に間に合つたのであるが、それは小野法順君の介添へのお蔭であつた。
此の人はもと知恩院塔頭の住職であつたのが、その頃或る事件から寺を捨てゝ還俗することになり、自分の用件を兼ねて名古屋まで私を送つてくれたのである。
小野君は大阪の私の宿へ来て病状を見舞つてくれ、天神橋の近所にある知人の医者の許へ連れて行つてくれたりした。