此の人はもと知恩院塔頭の住職であつたのが、その頃或る事件から寺を捨てゝ還俗することになり、自分の用件を兼ねて名古屋まで私を送つてくれたのである。
小野君は大阪の私の宿へ来て病状を見舞つてくれ、天神橋の近所にある知人の医者の許へ連れて行つてくれたりした。
全く、何が幸ひになるか分らないもので、此の医者がたいへん親切な暖かみのある老人であつた。
此の人はもと知恩院塔頭の住職であつたのが、その頃或る事件から寺を捨てゝ還俗することになり、自分の用件を兼ねて名古屋まで私を送つてくれたのである。
小野君は大阪の私の宿へ来て病状を見舞つてくれ、天神橋の近所にある知人の医者の許へ連れて行つてくれたりした。
全く、何が幸ひになるか分らないもので、此の医者がたいへん親切な暖かみのある老人であつた。