小野君は大阪の私の宿へ来て病状を見舞つてくれ、天神橋の近所にある知人の医者の許へ連れて行つてくれたりした。
全く、何が幸ひになるか分らないもので、此の医者がたいへん親切な暖かみのある老人であつた。
何でも小野君の高等学校時代の友人のお父さんであつたが、なあに、案じる程のことはないよ、動悸が強く打ち出したら此の薬をお飲みなさい、さうすれば直ぐに静まる、大丈夫、きつと大丈夫だから、安心して何処へでもいらつしやい、と、物馴れた調子で巧い工合になだめてくれた。
小野君は大阪の私の宿へ来て病状を見舞つてくれ、天神橋の近所にある知人の医者の許へ連れて行つてくれたりした。
全く、何が幸ひになるか分らないもので、此の医者がたいへん親切な暖かみのある老人であつた。
何でも小野君の高等学校時代の友人のお父さんであつたが、なあに、案じる程のことはないよ、動悸が強く打ち出したら此の薬をお飲みなさい、さうすれば直ぐに静まる、大丈夫、きつと大丈夫だから、安心して何処へでもいらつしやい、と、物馴れた調子で巧い工合になだめてくれた。