………よもやそんな阿呆らしいことあろうとは思いませんけれど、でもあの人、自分の好きなこと隠して貴女のせいにする云うのは、やっぱりいくらか気が咎めている証拠では、………オホホホホホホ、もうそんなこと、どっちにしたかて私には関係ないのでしたわねえ、けどほんとうに御用心なさいませ、たかが猫ぐらいと気を許していらしったら、その猫にさえ見かえられてしまうのですわ。
私決して悪いことは申しません、私のためより貴女のため思うて上げるのです、あのリリーちゃんあの人の側から早う離してしまいなさい、あの人それを承知しないならいよいよ怪しいではありませんか。
福子はこの手紙の一字一句を胸に置いて、庄造とリリーのすることにそれとなく眼をつけているのだが、小鰺の二杯酢を肴にしてチビリチビリ傾けている庄造は、一と口飲んでは猪口を置くと、