が、鰺も鰯も夏の間は長さ一寸ぐらいのもので、秋口になるほど追い追い寸が伸びるのであるが、小さいうちは塩焼にもフライにも都合が悪いので、素焼きにして二杯酢に漬け、苼莪を刻んだのをかけて、骨ごと食べるより仕方がない。
ところが福子は、その二杯酢が嫌いだと云ってこの間から反対していた。
彼女はもっと温かい脂ッこいものが好きなので、こんな冷めたいモソモソしたものを食べさせられては悲しくなると、彼女らしい贅沢を云うと、庄造は又、お前はお前で好きなものを拵えたらよい。
が、鰺も鰯も夏の間は長さ一寸ぐらいのもので、秋口になるほど追い追い寸が伸びるのであるが、小さいうちは塩焼にもフライにも都合が悪いので、素焼きにして二杯酢に漬け、苼莪を刻んだのをかけて、骨ごと食べるより仕方がない。
ところが福子は、その二杯酢が嫌いだと云ってこの間から反対していた。
彼女はもっと温かい脂ッこいものが好きなので、こんな冷めたいモソモソしたものを食べさせられては悲しくなると、彼女らしい贅沢を云うと、庄造は又、お前はお前で好きなものを拵えたらよい。