手紙の来たことを亭主に打ち明けて相談すれば、事実はそうでないにも拘わらず品子にケシカケられたような形になるのが心外であるから、それは内証にして置いて、孰方が余計憎らしいかと考えると、品子の遣り方も腹が立つけれども、亭主の仕打ちも堪忍がならない。
殊にこの方は毎日眼の前で見ているのだから、どうにもムシャクシャする訳だし、それに、本当のことを云うと、「用心しないと貴女も猫に見換えられる」と書いてあったのが、案外ぐんと胸にこたえた。
まさかそんな馬鹿げたことがとは思うけれども、リリーを家庭から追い払ってしまいさえすれば、イヤな心配をしないでも済む。