まさかそんな馬鹿げたことがとは思うけれども、リリーを家庭から追い払ってしまいさえすれば、イヤな心配をしないでも済む。
ただそうすると品子に溜飲を下げさせることになるのが、いかにも残念でたまらないので、その方の意地が昂じて来ると、猫のことぐらい辛抱しても誰があの女の計略なんぞにと、云う風になる。
―――で、今日の夕方チャブ台の前にすわる迄は、彼女はそう云うグルグル廻りの状態に置かれて懊れていたのだが、皿の上の鰺が減って行くのを数えながらいつものいちゃつきを眺めていると、ついかあッとして亭主の方へ鬱憤を破裂させてしまったのである。