庄造が行くと、伯父や福子までが一緒になって引き止めて、晩になっても帰してくれない。
それには何か魂胆があるらしいことは、庄造もうすうす気が付いていながら、甲子園の野球だの、海水浴だの、阪神パークだのと、福子に誘われるままに、何処へでもふらふらと喰っ着いて行って、呑気に遊んでいるうちに、とうとう彼女と妙な仲になってしまった。
この伯父と云うのは菓子の製造販売をしていて、今津の町に小さな工場を持っていたばかりでなく、国道沿線に五六軒の家作を建てたりして裕福に暮らしていたのだったが、福子のことでは大分今迄に手を焼いていた。