で、もう庄造をアテにしないことにきめた品子は、仕立物などを頼まれたりして暮らしの補いをつけていたばかりか、折角お給金を溜めて一通り拵えて来た荷物にさえ手をつけて、僅かの間に減らしてしまった。
そんな訳だから、今更その嫁を追い出そうと云うのは無慈悲な話で、近所の同情が彼女の方へ集まったのも当然であるが、おりんにしてみれば、背に腹は換えられなかったし、子種のないと云うことが難癖をつけるのに都合が好かった。
それに福子の父親迄が、そうすれば娘の身が固まるし、甥の一家を救ってもやれるし、双方のためだと考えたのが、おりんの工作に油を注ぐ結果となった。