キャディーの時代にはゴルフ場へ来る紳士や夫人たちに可愛がられて、盆暮の附け届を誰よりも余計貰ったし、カフェエなどでも案外持てるので、僅かなお金で長く遊んで来ることを覚えてしまい、そんなところからのらくらの癖がついたのだった。
が、何にしてもおりんから云えば、自分がいろいろ細工をしてやっと我が家へ迎え入れる迄に漕ぎ付けた、持参金附きの嫁御寮であるから、尻の軽い彼女に逃げられないように、忰と二人で精々機嫌を取らなければならない訳で、猫のことなどは勿論始めから問題でなかった。
いや、実を云うと、おりんも内々猫には閉口していたのであった。