それから困るのは、生物、煮物、焼物の類をうっかりその辺へ置くことが出来ない、ぼんやりしていると直ぐ食べられてしまうので、お膳立てをするほんの僅かな間でも、水屋か蠅帳へ一応入れて置かなければならない。
いやいや、もっとひどいことは、この猫は臀の始末はよいが、口の始末が悪くて、ときどき嘔吐するのである。
それと云うのは、庄造が例の曲芸に熱中して幾らでも餌を投げてやるので、つい食い過ぎるせいなのであるが、晩飯の後でチャブ台を除けると、その辺に一杯毛が落ちていて、食いかけの魚の頭だの尻尾だのがたくさん散らばっているのである。