夜は必ず庄造の傍に寝て、朝になると起してくれたが、それも顔じゅうを舐めて起すのであった。
寒い時分には、掛け布団の襟をくぐって、枕の方からもぐり込んで来るのであったが、寝勝手のよい隙間を見付け出す迄は、懐の中へ這入ってみたり、股ぐらの方へ行ってみたり、背中の方へ廻ってみたりして、ようよう或る場所に落ち着いても、工合が悪いと又直ぐ姿勢や位置を変えた。
結局彼女は、庄造の腕へ頭を乗せ、胸のあたりへ顔を着けて、向い合って寝るのが一番都合がよいらしかったが、もし庄造が少しでも身動きをすると、勝手が違って来ると見えて、そのつど体をもぐもぐさせたり、又別の隙間を捜したりした。