そう云えば一度庄造が布団の中で放屁を鳴らすと、その布団の上の裾の方に寝ていたリリーが、びっくりして眼を覚まして、何か奇態な啼き声を出す怪しい奴が隠れているとでも思ったのであろう、さも不審そうな眼をしながら、大急ぎで布団の中を捜し始めたことがあった。
又或る時は、嫌がる彼女を無理に抱き上げようとしたら、手から脱け出て、体を伝わって降りて行く拍子に、非常に臭い瓦斯を洩らしたのが、まともに庄造の顔にかかった。
たしかその時は食事の後で、今御馳走を食べたばかりの、ハチ切れそうにふくらんだリリーのお腹を、偶然庄造が両手でギュッと押さえたのである。