鼬の最後ッ屁と云うのも恐らくこんな臭さであろうが、全くそれは執拗な臭いで、一旦鼻の先へこびり着いたら、拭いても洗っても、シャボンでゴシゴシ擦っても、その日一日じゅう抜けないのであった。
庄造はよく、リリーのことで品子といさかいをした時分に、「僕リリーとは屁まで嗅ぎ合うた仲や」などと、嫌味めかして云ったものだが、十年の間も一緒に暮らしていたとすれば、たとい一匹の猫であっても、因縁の深いものがあるので、考えようでは、福子や品子より一層親しいとも云えなくはない。
事実品子と連れ添うていたのは、足かけ四年と云うけれども正味は二年半ほどであるし、福子も今のところでは、来てからやっと一と月にしかならないのである。