又必ずしも食事の時に限らないで、いつ、どんな物を見せびらかしても、直ぐ跳び上った。
ところが歳を取る毎に跳び上る度数が少くなり、高さが低くなって行って、もう近頃では、空腹な時に何か食物を見せられると、それが自分の好物であるか否かをたしかめた上で、始めて跳び上るのであるが、それでも頭上一尺ぐらいの低さにしなければ駄目なのである。
もしもそれより高くすると、もう跳ぶことをあきらめて、庄造の体を登って行くか、それだけの気力もない時は、ただ食べたそうに鼻をヒクヒクさせながら、あの特有な哀れっぽい眼で彼の顔を見上げるのである。