相手は何処の猫か分らなかったが、生れた仔猫たちは混血児で、鼈甲猫の俤を幾分か備えているものだから、割合に希望者が多かったけれども、時にはそうっと海岸へ持って行ったり、蘆屋川の堤防の松の木蔭などへ捨てて来たりした。
これは母親への気がねのためであることは云う迄もないが、庄造自身も、リリーが早く老衰するのは、一つは多産のせいかも知れぬ、だから姙娠を止めることが出来ないなら、乳を飲ませることだけでも控えさせた方がよいと、そう云う頭で取り計らいもしたのであった。
実際彼女は、お産の度毎に眼に見えて老けて行った。