ああ、そうだった、御飯をやるのを忘れていたが、お腹が減っているのだろうと、さすがに可哀そうになって、残飯の上に出し雑魚を載せてやると、贅沢な食事に馴れているせいか嬉しそうな顔もしないで、ほんの申訳ぐらいしか食べないものだから、つい腹が立って、折角の愛情も消し飛んでしまう。
夜は夫の寝床を敷いて、帰るかどうか分らない人を待ち侘びていると、その寝床の上へ遠慮会釈もなく乗って来て、のうのうと脚を伸ばす憎らしさに、寝かけたところを叩き起して追い立ててやる。
そんな工合に、随分この猫には当り散らしたものだけれども、再びこうして一緒に暮すようになったのは、やっぱり因縁と云うのであろう。