谷崎潤一郎 『猫と庄造と二人のおんな』 「リリーや、………」 彼女はさすがに大きな声で喚こうとして、ついその声が出ずにしまった。 あんなに辛苦したかいもなく、やっぱり逃げられたかと思うと、もう追いかける気力もなく、何だかホッとして、荷が下りたような工合であった。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア