そう云えば、この六甲と云う所は、これから冬になって来ると、毎年六甲颪が吹いて、蘆屋などよりずっと寒さが厳しいのであると聞いていたけれども、もうこの頃でも夜は相当に冷え込むので、同じ阪神の間でありながら、何だか遠い山国へでも来たような気がする。
彼女は体を海老のようにちぢこめて、無感覚になりかけた両方の足を擦り合わした。
蘆屋時代には、もう十月の末になると、夫と喧嘩しながらも湯たんぽを入れて寝たのであったが、こんな工合だと、ことしはそれまで待てないかも知れない。
そう云えば、この六甲と云う所は、これから冬になって来ると、毎年六甲颪が吹いて、蘆屋などよりずっと寒さが厳しいのであると聞いていたけれども、もうこの頃でも夜は相当に冷え込むので、同じ阪神の間でありながら、何だか遠い山国へでも来たような気がする。
彼女は体を海老のようにちぢこめて、無感覚になりかけた両方の足を擦り合わした。
蘆屋時代には、もう十月の末になると、夫と喧嘩しながらも湯たんぽを入れて寝たのであったが、こんな工合だと、ことしはそれまで待てないかも知れない。