大方猫にしてみれば、自分が無愛想にしていた人に、今日から可愛がって貰おうと思って、いくらか今迄の無礼を詫びる心持も籠めて、あんな声を出しているのであろう。
すっかり態度を改めて、庇護を仰ぐ気になったことを、何とかして分って貰おうと、一生懸命なのであろう。
品子は初めてこの獣からそんな優しい返辞をされたのが、子供のように嬉しくって、何度でも呼んでみるのであったが、抱こうとしてもなかなか掴まえられないので、暫くの間、わざと窓際を離れてみると、やがてリリーは身を躍らして、ヒラリと部屋へ飛び込んで来た。